パラダイス文書とは?記載されていた日本人・日本企業・世界の著名人は?

  • 2017.11.10
パラダイス文書とは?記載されていた日本人・日本企業・世界の著名人は?

公開日:2017/11/06  更新日:2017/11/10

  • Apple社に関する情報を追記しました。(NEW)

 

脱税を行っていた世界の富裕層のリストが記載されていた「パナマ文書」の衝撃から1年半。新たな秘密が再び世界で一斉に報じられました。今回報じられた文書の名前は「パラダイス文書」です。

パラダイス文書とは?

バミューダ諸島などに拠点がある大手法律事務所アップルビーなどによって業務上作成された文書のことで、電子ファイル1340万件からなり、公的機関・企業・個人富裕層などの情報が記載されています。

法律事務所と顧客との間でやり取りされた秘密性の高い文書で、中には租税回避に関するものなどが含まれています。

全世界に衝撃を与えた「パナマ文書」が1150万件だったのでそれを大きく上回る数字です。

この電子ファイルの流出経路は明らかにされていませんが、今回、南ドイツ新聞と非営利組織の国際調査報道ジャーナリスト連合(ICIJ)が手にしています。

ICIJと提携メディアはその流出文書を「パラダイス文書」と名付けて、11月5日(日本時間11月6日午前3時)世界同時に報道を始めました。

ICIJによるとその文書に登場する各国の政治家や著名人の名前は47カ国127人に及ぶとのことです。

パラダイス文書の内訳

  • 大手法律事務所アップルビーの内部文書683万件
  • シンガポールの法人設立サービス会社「アジアシティ」の内部文書56万6000件
  • バハマ、マルタなど19の国・地域の登記文書604万件

パラダイス文書から何が分かるの?

タックスヘイブン(※)を利用して税金の「節税」「脱税」「マネーロンダリング」などを行っていた可能性がある企業や個人が分かります。

※ タックスヘイブンとは?

税金避難地。税率がゼロもしくは著しく低い国もしくは地域のこと。

ただひとつ触れておきたい点は「タックスヘイブンを利用すること自体は多くの場合に合法」だということです。

ただ、合法であれば何も問題がないはずなのに、前回のパナマ文書の時は文書リストに名前が挙がっていたアイスランドの首相が辞任したり、習近平国家主席の関与が疑われた中国ではネット検閲が入って「Panama」や「巴拿马(パナマの中国語)」と書かれた内容が削除されたりしました。

このようなことがあったゆえに、今回の「パラダイス文書」でも、その文書に名前が挙がっている企業や個人は合法のタックスヘイブンを巧みに利用して裏で脱法行為(脱税・違法取引・マネーロンダリング[資金洗浄]など)をしていたのではないかとみなされ、世間を騒がせる大問題となっています。

パラダイス文書に記載されていた世界の著名人は?

アメリカ ウィルバー・ロス商務長官

source : Wikipedia

ウィルバー・ロス氏はトランプ政権の重要閣僚の一人です。大統領選挙の時はトランプ陣営の経済アドバイザーを務めていました。

「再建王」とも呼ばれていて、トランプ大統領がカジノ経営で危なかった時に債務軽減の手助けをした人物でもあります。

今回のパラダイス文書の中でも特に注目を集めている人物の一人ですが、その理由はタックスヘイブンを介してプーチン大統領に近いロシア企業と取引をしていたからです。

取引先の企業のオーナーの1人はアメリカで制裁対象になっており、米国企業は取引を禁じられているにもかかわらず、ロス商務長官はその企業と利害関係を結んでいた状態でした。

裏で取引をすることでロシア企業にも自分自身にも利益が出る構図になっていてアメリカの国益に反するとして非難を集めています。

イギリス エリザベス女王

source : yahoo.co.jp

エリザベス女王の資産はイギリス国内でどのように運用されているかについては一部明らかになっていましたが、国外での運用については謎に包まれていました。しかし今回のパラダイス文書でその国外での運用の一部が明らかになりました。

2005年にタックスヘイブンにあるファンドに8億6000万円の投資を行っており、2008年に4100万円の分配金を受け取っていたことが判明しています。

またこのファンドを通じてイギリスの家具レンタル・販売会社「ブライトハウス」を配下の置くブライト社に投資をしていたことも明らかになりました。

エリザベス女王の広報担当は「女王は個人資産やその運用で得た所得税を納めている」とコメントしています。

その他

ローマ・カトリック教会の聖職者・故マルシアル・マシエル神父が、タックスヘイブンのバミューダ諸島で会社を持っていたことが判明しています。その会社の資産を運用する団体がマネーロンダリングに関わってきた疑惑が持たれています。

またカナダ・トルドー首相の資金調達者が巨額の資金をタックスヘイブンに移して脱税をしていた疑いが出ています。トルドー首相は脱税への取り締まりを公約に掲げていた人物なだけに厳しい状況に立たされそうです。

その他、アメリカの歌姫ことマドンナが医療用品販売会社の株を持っている事や、ロック歌手ボノがマルタに登録された会社の株を所有していたことや、アメリカネットオークションサイト「eBay」創設者のピエール・オミディア氏がケイマン諸島の金融商品を所有していることなども明らかになりました。

加えて iPhone でお馴染みの Apple社の名前が記載されていたことも判明し注目を集めました。

Appleは2014年以前にアメリカ国外で得た所得をアイルランドにある子会社に集めるなどしてアメリカへの納税額を最小限に抑えていました。しかし米欧がこの手法を非難するとアップルは法律事務所「アップルビー」に相談して、その非難から逃れるためアイルランドの子会社に資金を集めるのをやめ、外国企業に対する税率がゼロのジャージー島に所得を移動させました。

IT業界の巨人アップルのこのような租税戦略が今回のパラダイス文書で明らかとなり、米欧で再び波紋を呼ぶことになりそうです。

パラダイス分文書に記載されていた日本人や日本企業は?

次にパラダイス文書に記載があった日本人や日本企業について取り上げていきたいと思います。

鳩山由紀夫元首相

source : Wikipedia

鳩山由紀夫元首相がタックスヘイブンのイギリス領バミューダ諸島に設立された資源会社「ホイフー・エナジー・グループ」の名誉会長を2013年から務めていたことが判明しました。2013年なので政界を引退後ということになります。

鳩山氏は経営の関与を否定しているとのことですが、否定しないといけないようなことを裏でしているのではないかと疑ってしまいたくなります。

名誉会長として顧問料を報酬として受け取っているとのことですが、その分は適正に税務署に申告していると答えています。

漫画家・鳥山明氏

source: Wikipedia

あの「ドラゴンボール」で有名な漫画家・鳥山明氏を含む日本人12人が2000年に不動産リースの投資事業組合に出資していたことが判明しました。

この投資事業は失敗し赤字で終わったため、出資者たちは本業の黒字と今回の投資案件の赤字を合算して少ない所得で申告を行っていたようです。

この件に関して2005年に日本の国税局が税逃れと判断し、出資者に追加徴税を行ったことが当時報じられています。

出資者たちは追加徴税の取り消しを求めて最高裁まで争いましたが2015年に敗訴しています。(この件に鳥山明氏が参加したかどうかは調べ切れていません。すみません。)

今回のパラダイス文書の件の取材に対して鳥山氏は「日々多忙のため、税務面はおまかせにしていますのでお話しできることはありません」と書面で回答しています。

日本企業

丸紅・IHI・大阪ガス・日本郵船など、名だたる日本企業も今回のパラダイス文書に続々と名前が挙がっています。タックスヘイブンを利用した様々な取引が裏でなされていたことが浮き彫りとなりました。

日本にはタックスヘイブン対策税制というものがあり、タックスヘイブン先に実体がない場合は、海外事業の所得は国内事業の所得と合算で課税することになっているようです。

それから考えれば、日本企業の場合とってタックスヘイブンを利用した取引をする意味はほとんどないように思えます。

今回、大手商社・丸紅から投資を受けていたIHIも「なぜ丸紅がタックスヘイブンにあるケイマンの子会社を通じて支払う形にしたのかは分からない」としています。

深く掘り下げればいろいろな闇が出てきそうな気配です。

 

みんなの反応は?

鳩山元首相については

  • 鳩山は中国からの送金をタックスヘイブンにプールしてるんだろうな
  • 時期を考えれば日本国民の税金を横領してプールしてた可能性も否定できない
    モリカケなんか目じゃない政治スキャンダルだよこれは
  • 鳩山よ…ここまで友愛とは程遠い偽善で出来上がった人間も珍しいな
  • 鳩山由紀夫さん信じていたのに残念だね

といった意見が見られました。

 

鳥山明氏については

  • まあ記事にもあるけど「日々多忙のため、税務面はおまかせにしていますのでお話しできることはありません」という文言を誰もが使って責任もパラダイス(回避)
  • 「おらに力を!(脱税するので)」だったのか?
  • オラァ、界王さまの処で修行中だ。チチが払ってくれ
  • 鳥山明は自分の資産を把握してなさそう…
  • さすがに幻滅だわ。だれかに任せてたから自分は知りませんって・・・。

といった意見が見られました。

 

また「パラダイス文書」自体については

  • テレビじゃ絶対に流さんなこりゃあ
  • パナマはなかった事にされてるが今回も闇に葬られるのかな
  • パナマとかパラダイスとかは闇が深すぎてマスゴミもだんまりだし、どうしようもないんだよなぁ

といった闇の深さに言及する意見もあれば

  • ようこそここへ 隠そうよパラダイス 
    海の外に向けて 査察は追えない タックスヘイブン 
    夢の島までは さがせない

といった 光GENJIの「パラダイス銀河」に重ねて遊んでいる人もいました。(^_^;)

まとめ

記事中でも触れていますが、タックスヘイブンを利用すること自体は必ずしも違法ではありません。「パナマ文書やパラダイス文書に名前が載っていたから!」というだけで犯罪扱いをするのは性急です。

ただタックスヘイブンでのやり取りは、秘匿性が極めて高く、その中での取引は基本的に見えないため、脱税・違法取引・マネーロンダリングなどの温床になっているのも事実です。

タックスヘイブンの利用者には、合法的に正しく利用している人もいれば、違法に悪徳利用している人もいるということを理解して、個別にその中身をよく調査・精査したうえで判断していくことが大切だと思います。

 

最後までお読み頂きありがとうございました!