アメリカ・韓国が検討する「金正恩斬首作戦」とは?有効性はあるのか?

  • 2017.10.08
アメリカ・韓国が検討する「金正恩斬首作戦」とは?有効性はあるのか?

世界を騒がせ続けている一人の男「金正恩(キム・ジョンウン)」。彼の一挙手一投足に世界が注目します。そんな彼は今、映画さながらの身を狙われる立場にもいます。なぜなら「金正恩斬首作戦」が取り上げられているからです。

今回はその「金正恩斬首作戦」に注目してリサーチをかけてみました。以下からどうぞ!


「金正恩斬首作戦」とは?

source : YAHOO! NEWS

この言葉が話題を集めたのは約1か月前の9月4日の韓国の発表からです。韓国の国会で宋国防相が「金正恩の斬首作戦」の存在を明らかにしました。

「斬首」とは読んで字の如く。北朝鮮最高指導者・金正恩委員長の首を斬る作戦になります。

「一国の政府が堂々と斬首を公言するとはどういうことか?」「もし本当に実行するつもりなら公言せずに伏せておくべきだったのでは?」などなど批判の的になった発言でしたが、そもそも、この斬首作戦、ずっと未来の作戦なんです。

というのも、韓国曰く、斬首作戦部隊創設予定日は2017年12月1日。実際に訓練を経て現場できちんと機能するレベルにまで持っていけるのが2018年末頃という、なんとも悠長な話です。

ところが、この斬首作戦、韓国サイドだけで見れば口だけなんですが、アメリカの動きをみるとそうでもなくなってきます。

金正恩斬首作戦にまつわるアメリカの動きとは?

CIAポンペオ長官

source : Wikipedia

米中央情報局(CIA)のポンぺオ長官が5月初旬に極秘裏に韓国を訪問し、韓国に昨年亡命した太永浩(テ・ヨンホ)元駐英北朝鮮公使や、元朝鮮人民軍幹部や北朝鮮の元党・政府幹部らと会っていたことが明らかになっています。

その目的ですが、金正恩の所在や日頃の生活パターンについての情報収集、家族などの個人情報の収集をするためです。いくらアメリカといえど、北朝鮮国内での金正恩の動きを把握することは難しいため、このような方法で情報収集に努めていたんですね。

その後も、CIAや米国土安全保障省の朝鮮半島問題担当の情報要員らが韓国入りしていて、金正恩の排除を目的とする「斬首作戦」実行のための情報収集が本格化していると言います。

これを裏付けるかのように、ポンペオ氏は訪韓後の7月20日、次のように述べていました。

「朝鮮半島が非核化すれば素晴らしいが、最も危険なのは(核兵器を)支配している人物だ。」

「最も重要なのは、そうした(核)能力から(使用の)意図を持つであろう者を分離することだ。」

「北朝鮮の非核化を外交的手段で実現させることが困難であると判断された場合、金氏の排除に関する秘密工作の展開など、「斬首作戦」の実行をトランプ大統領に進言する用意がある。」

source : Business Journal

また、このポンペオ氏の訪韓後、CIAなどのアメリカ情報機関による動きが活発化しています。積極的に韓国入りし、脱北者を中心に事情聴取を続けているとのことです。

アメリカが「斬首作戦」のためにも入念に準備を進めていることは確かです。

「金正恩斬首作戦」に関する中国の動きは?

次に中国の動きに注目してみたいと思います。最近、非常に興味深い動向が伝えられています。

2017年10月4日の米華字メディアによれば、中国政府が、北朝鮮政府から金正恩(キム・ジョンウン)を排除する方法を模索しているとのことです。(参照:Infoseek News

今まで中国と言えば、ロシアと共に裏で北朝鮮を支えている裏ボス的な存在として語られることが多かった印象があります。しかし、昨今の中国は北朝鮮と今までのような仲良しではなくなってきています。

事の発端は、2013年12月12日、金正恩が叔父の張成沢(チャン・ソンテク)氏を殺害したためと言われています。

張成沢(チャン・ソンテク)氏は中国との主な交渉窓口であったため、その事件は中朝関係に多大なる疑念と不信感を植え付け、以後、関係は急速に悪化していきました。

その後も、金正恩は、中国の顔に泥を塗るような行動をたびたび繰り返してきました。(中国にとって重要な日にミサイルを発射するなどなど。)

また、金正恩が暴走して、もしアメリカと北朝鮮が戦争ということになれば、北朝鮮から大量の難民が中国国内に流入し、同時に強大な米軍が国境を圧迫することにもなります。

こうした背景から、中国は金正恩を厄介者とみなすようにまでなっていき、その金正恩を北朝鮮から排除し、朝鮮半島での戦争回避を達成したいと考えるようになっています。

この点、英国王立防衛安全保障研究所(RUSI)のマルコム・チャルマース氏は

「中国政府は北朝鮮政府の体制ではなくリーダーを代えることに最も関心がある。」

「中国は北朝鮮のリーダーとして彼らが恩恵を受けることができる人物を好んでいる。」

source : Infoseek News

と述べていました。

金正恩(キム・ジョンウン)の反応は?

アメリカからも中国からもその身を狙われている当の金正恩自身はどう捉えているのでしょうか?

金正恩自身がこの件について直接言及したことがないため、実際のところどう思っているかは分かりませんが、その点に関連して非常に興味深い記事を見つけたので紹介させていただきます。

「金正恩が亡命ルートをしっかりと確保し準備万端である」という内容です。

詳細はLivedoor Newsから確認して頂けますが、要約すると、有事の際にはロシアに亡命するルートが用意されており、すでに隠れ家も準備済みという驚愕の内容になっています。

記事では、まず北朝鮮・羅先(ラソン)~ロシア・ハサン間の54kmの鉄道の地下に亡命用の地下トンネルが準備されているであろうことが取り上げられていました。

その地下トンネルでロシアに無事入国した後、軍港があるウラジオストックに移動し、軍用機でムルマンスク軍港に移動し、1000km離れたスヴァールバル諸島(※)に亡命するというルートが準備されているとのこと。

※ スヴァールバル諸島とは…

北極海に浮かぶ群島。第一次世界大戦終結後、スヴァールバル諸島を永久非武装地帯とするスヴァールバル条約が締結される。その条約になぜか北朝鮮がロシアの後押しを受けて2016年に加盟している。島内にはロシア人居住地区があり、ロシアの法律が適用されている。

しかもその亡命先のスヴァールバル諸島には大邸宅の建設がすでに始まっていて、これが金正恩の亡命用の住居と見られるということだそうです。

ということで、その金正恩の一連の逃亡ルート(仮)が気になったのでグーグルマップで調べてみました。

移動範囲が広大なので部分部分に分けて画像4枚でお届けします。

1.北朝鮮・羅先から地下トンネル(?)を通ってロシア・ハサンへ移動

2.ロシアのハサンから軍港ウラジオストクへ移動

3.軍港ウラジオストクから飛行機でムルマンスクへ移動

4.ムルマンスクから飛行機でスヴァールバル諸島へ移動

 

以上が、金正恩の亡命ルート(予想)となっています。こうしてみると移動距離が尋常ではないですね。

さておき、このような亡命の準備がされているらしいことを考えると、金正恩が暗殺の危険をいつも日常レベルで感じながら日々を過ごしているとも言えますし、逆にこのような亡命ルートをしっかりと確保しているので、アメリカの圧力にも屈することがないと言えるのかもしれません。

金正恩斬首作戦は良策なのか?

以上、金正恩斬首作戦に関する情報をいろいろな角度で見てきましたが、そもそもこの「金正恩斬首作戦」が良策なのかという疑問があります。

先ほど取り上げたように、金正恩は亡命ルートをしっかりと確保していると思われます。そうなると斬首作戦自体が失敗する可能性があります。

また、金正恩には影武者が複数人いることが確認されています。となれば、やはり作戦が失敗する可能性が出てきます。

いずれにしろ、金正恩を確実に排除できなかった場合、金正恩によるなにかしらの報復行動を覚悟しなければならなくなります。最悪のケースは核ミサイルの発射という形になるかと思います。

また、仮に見事に金正恩を排除することに成功したとします。しかし、その金正恩の後をだれが継ぐのかという問題が出てきます。その人物が金正恩の遺志を受け継ぐ人物であれば、結局意味がありません。むしろ、その受け継がれた意志は膨れ上がってしまいます。

こう考えてくると、確かに「金正恩斬首作戦」が良策なのかどうかは疑問が出てくるところです。

まとめ

以上、今回は「金正恩斬首作戦」についてまとめてみましたが、如何だったでしょうか?

素人感覚では北朝鮮の元凶を排除さえすればそれ終わると思ってしまいがちですが、一筋縄ではいかないことがお分かり頂けたかと思います。

アメリカ・韓国・中国が、今後どのような行動に出てくるのか、引き続き注目が集まります。

eyecatch photo’s source : wearethemighty.com

最後までお読みいただきありがとうございました!